こんばんは。

来年の遠征に向けた節約計画第一弾として、
トイレットペーパーをダブルからシングルに変えました、
宝塚男子ピエールです。


ということで先週末は雪組の赤坂ACTシアター公演、
「ローマの休日」を観に行ってまいりました!

いや~、なんか気付いたら日曜で東京公演も千秋楽だったんですね~。

ちなみに雪組と言えば先日、望海風斗(だいもん)さん主演の神奈川芸術劇場公演、
「ドン・ジュアン」を観たばかりでしたが、
「ドン」とは対極的な爽やかな作品でした(//∀//)

「ローマ」はいわゆる悪者が一人も出てこない作品なのに対し、
「ドン」はほとんどの人が何かしらゲスい要素を見せる話だったので(笑)。

「ドン」もあれはあれで見応えのある作品でしたが、
「ローマ」は何か安心しながら観られると言いますか。

ポカリスウェットのCMみたいに爽やかな作品だったな~と(笑)。


はてさてそんな「ローマの休日」ですが、
基本的なストーリーは映画版と同じように進んで行く感じですが、
原作は登場人物が少なかったのを上手く膨らませてくれていたな~という印象でした。

映画版はスカイステージでも放送されているため、
ネタバレもあまり気にせず書いてしまうと思いますので、
これから観劇予定でまだ何も知りたくない!という方は、
どうぞお読みいただくかどうかは自己責任でご判断いただけたらと……m(_ _)m


まず主人公の新聞記者ジョー・ブラッドレーを演じた早霧せいなさん。

制作発表とかでも映画版のジョーよりも若く野心的な青年として描いていると語られていましたが、
まさにその通りで映画版でグレゴリー・ペックが演じていたジョーがダンディなおじさまの雰囲気だったのに対し、
早霧さんのジョーはもっと血気盛んで良くも悪くも行動的な青年という感じでした。

しかしながら今回改めて思ったんですが、
早霧さんって本当に「誰かになる」のがすごく上手な方ですよね~。

僕は今回宝塚での上演が決定されてから初めて映画版を観た人間なので、
元々オリジナル版に深い思い入れがないというのも関係あるのかも知れませんが、
上記の通り原作とは多少キャラクターを変えているにもかかわらず、
早霧さんの演じるジョーはあくまでもあのジョーだったのです。

原作と違うんだけど、「原作と違う!」とは感じない、
この感覚お分かりいただけますでしょうか(笑)?

早霧さんはお披露目の「ルパン三世」やこないだの「るろうに剣心」と、
トップ就任から様々な有名キャラクターを演じられていますが、
これだけ個性が異なるキャラクターをどれも自分のものにしてしまうのって、
改めてすごいな~と感じました。

「何も演じても『早霧せいな』に見えてしまう」というわけではないのに、
どの役にも必ず早霧さんらしさは生かされていて、
「早霧ルパン」「早霧剣心」「早霧ジョー」を創り上げる不思議な力を持ってると言いますか。

ただ単に「芝居が上手」というのとも違う、
何だかもっともっといろんな役を演じる早霧さんが見てみたいな~としみじみ思いました。


ヒロインのアン王女を演じた咲妃みゆさん。

「るろ剣」のときは僕が観た最後の回まで喉が不調で声が戻っていなかったのですが、
今回はすっかり回復していてそこが何より安心しました。

映画版のオードリー・ヘップバーンよりも丸顔なのでより幼く感じはするのですが、
そこがむしろ若く設定を変えた早霧さんのジョーともバランスが良かった気もします。

ただ、フィナーレのデュエットダンスが結構大人っぽい雰囲気だったのですが、
このジョーとアン王女だったらもっと可愛らしいデュエットでも良かったかな~とちょっと思いました。

あのデュエットダンス自体は初日映像で見たときからすごいカッコイイな~と思っていて、
この場面単体ではすごく素敵なデュエットダンスという印象は変わらなかったんですが。

劇中のジョーとアン王女の若々しさがすごく素敵だったので、
フィナーレもあの雰囲気で「ファンシー・ガイ!」のときのような可愛らしいダンスでも良かったかな~と。

でももしかしたら今回の公演で初めて宝塚を観た方に、
宝塚らしいカッコイイフィナーレを見せたいという狙いもあったのかも知れませんね。


そしてジョーの相棒のカメラマン、アーヴィングを演じた彩凪翔さん。

いや~、翔くん、ホントにここ最近の進化が素晴らしい!(≧∀≦)ノシ

先日公開された「私立探偵ケイレブ・ハント」のポスターに翔くんの姿がなくて、
それが淋しかったから今回無理やり翔くんを盛り上げること書いてやろうと最初から思ってたんです(笑)。

でもそういうの関係なく本当に翔くんがすごいカッコ良かったんですよ!

元々ビジュアルの華やかさは最高クラスの方だという印象はあったんですが、
もう舞台のどこにいても分かるスターオーラで。

たぶん歌唱力の面で課題があると言われがちだったと思うんですが、
今回の公演だけ観てたら全然そんなことも感じさせない安定感でした。

今回の翔くんを見ながらしみじみ思ったんですが、
小劇場公演の2番手を演じることで何かが開花するんじゃないかなと思うんですよね。

大劇場公演の2番手って、当然ながら組の2番手の方が演じるものですが、
小劇場公演であればいろんな若手~中堅生徒さんにそのチャンスがあるわけじゃないですか。

で、小劇場公演ならではの大役を演じることで、
今まで見えなかったものがいろいろ華開くのかもな~と。

トップスターや(組の)2番手くらいしかあまり知らずに観た人にも、
「こんなカッコイイ人がいるんだ!」と印象付けて人気に勢い付けるきっかけにもなったり。

もちろんご本人の意識の変化とかも大きいと思いますし。

翔くんってたぶん自分からグイグイ前に出るのがあまり得意なタイプではなくて、
それがネックになってこれまで伸び悩んだ部分もあるのかも知れませんが、
「るろ剣」の観柳と言い今回のアーヴィングといい、
今までにない大役が続いたことできっと何かが変わってきてるんじゃないかなと。

だからどうかこのまま埋もれたりせず、もっともっと飛躍を見せて欲しい!と思いました。


それから月城かなとさんが演じた美容師マリオ。

いや~、月城くんも弾けてましたよ!(//∀//)

初日映像で見たときはまだちょっと「頑張って弾けてる」という雰囲気もありましたが、
僕が観たときはもうすっかり楽しんでる感じで。

映画版では決して登場シーンの多い人物ではなかったですが、
宝塚版ではしつこいくらい存在をアピールする役に膨らまされていて(笑)。

「アーニャ」と名乗るアン王女に夢中になって追いかけ回してくるわけですが、
「アーニャ!アーニャ!ア~ニャ~!(≧∀≦)」
って名前連呼する歌とも台詞とも言えない場面が最高に笑えました(笑)。

月城くんも今までは正統派の2枚目キャラが多かったですが、
たぶんこの公演が終わる頃にはかなり何かに目覚めてるんじゃないかと思います(//∀//)


それと星乃あんりさんが演じた、アーヴィングの恋人フランチェスカ。

いや~、前評判通りほぼずっとプンスカ怒ってるんですが、
ありがてぇありがてぇ……。

翔くんと星乃さんって新公とかでも組んだことあると思うんですが、
すごく宝塚らしいビジュアルの華やかなカップルですよね~。

ちょっとアーヴィングとフランチェスカのスピンオフとかも見たくなりました(笑)。


そして忘れちゃいけない、「ノゾミーナ」こと星南のぞみさん!

今回は通し役ではないいわゆる群衆的な存在でしたが、
人混みの中にいてもやっぱり際立つ可愛さで(*´∇`*)

ちなみにたぶん一番多く着ているのが、
何て言う色かよく分からないのですが、
ベージュ?モスグリーン?的な?ちょっとくすんだ系の色の?ドット柄?の服を着ているのがノゾミーナです。
(ファッション用語にまったくもって自信が無い)

これからご覧になる方はどうぞチェキラしてくださいませ(* ̄∀ ̄*)


あと全体的な感想として、映画版よりもジョーとアン王女のそれぞれの感情が色濃く表現されていたな~と。

昔の映画って、ラストシーンで突然「~fin~」とかなって終わったりするじゃないですか。

古い映画観てるとどうしてもあの急な終わり方に消化不良感があって。

でも宝塚版では物語の展開自体は変わらないものの、
宝塚らしく最後ちょっと幻想っぽい場面も入って余韻が残るような雰囲気になっていたので、
記者会見の場面の切なさもより心に染みるものになっていたんじゃないかなと感じました。

ルパンとアントワネットの関係もそうでしたが、
こういう本来なら交わることの無かったはずの2人が出会って、
最終的にはやっぱりそれぞれの道を歩き始めるんだけど、
それが決して悲しいだけの別れではない雰囲気の作品がピエールは結構好きみたいです(笑)。

ということでこの公演も残すところあとは大阪の梅芸公演のみとなりましたが、
これからご覧になる方も早霧ジョー率いる「ローマ」の世界に浸ってきてくださいませ!