僕は非常に風邪を引きやすい。

ひどいときは一ヶ月おきのペースで体調を崩す。

特に首もとが冷えて風邪を引くことが多い。

なので、この季節になると寝るときは必ずネックウォーマーをして寝ている。

しかしながら、外出時にも使えるようなやつが欲しいなーと思い始めた。

そんなことを考えながら、買い物をしていたとき。

雑貨屋で、ちょうど良さそうな小洒落たグレイのネックウォーマーを見つけた。

しかも500円程度ととってもお買い得。

ただ、その店は主に女性をターゲットとした雑貨屋なので、ネックウォーマーを手に店を歩き回るのはちょっと恥ずかしい。

けれどまだ見たい物があったので、一通り店内を見てから、最後にそのネックウォーマーを手に取ってレジに向かおうと思った。


いろいろと店内を物色した結果、他に欲しいものは見つからなかった。

さて、さっきのネックウォーマーを買って帰ろう。

もう北風なんて怖くない。

今日から僕の首もとはポッカポカだ。

そう思ってさっきの場所へ行く。


おかしい。

さっきのネックウォーマーが無い。

色違いはある。

だがピンクなんてとてもじゃないが買えない。

僕が欲しかったのはグレイのやつだ。

もう一度探してみる。

無い、どこにも無い。

ふと周りを見る。

僕は見つけてしまった。

若い女性客の手に、僕のネックウォーマーがある。

ちょっと待ってくれ。

それはさっきまで僕が見ていたやつじゃないか。

何でよりによってお前がそれを持ってるんだ。

お前なんて普段はバカみたいにピンクばっかり身に付けているタイプじゃないのか。

合コンで友達とピンクかぶりした経験がありそうな顔してるじゃないか。

しばらく観察してみるが、ネックウォーマーを棚に戻す気配もない。


何なんだろう、この間の悪さは。

僕は結局、いつもより冷たく感じる北風を首もとに感じながら、一人、誰も待っていない家に帰るのだった。